自宅NASがディスク故障、地震、火事などの要因で死んでしまったときのために、データが復旧できるようにしておきたく、Google Cloud Platform上に保存する方法を試してみました。
環境・条件
- QNAP TS-431X3
- 写真やドキュメントなど、5.1TB
- 2週間に1回ほど写真を取りに行き、100GBの写真を追加する
- HBS3 Hybrid Backup Sync 23.1.1116
設定方法
以下のリンクを参考にGoogle Cloudでプロジェクト、バケットを作成し、HBS3 Hybrid Backup Syncでバックアップ設定しました。
https://www.tekwind.co.jp/QNA/specials/entry_271.php
バケットタイプの選定
バケットは、データを格納するコンテナ、領域のこと。
サーバのエリア、2拠点保存の冗長化、長期保存用ストレージなどあり、1GBあたりの保存料金、Read料金、Write料金、転送料金などが変わる。
Standardクラスは単価が高いが、最小保存期間がなかったり、検索料金がかからないなど、頻繁にアクセスするデータに向いていて、Archiveストレージは単価が安い一方で最小保存期間がある。
最小利用期間内に削除した場合、残りの期間分の料金を削除した時点で一括で請求される。
NASのバックアップの、長期保存想定なのでArchive Storage ClassでTokyoリージョンに保存する設定にした。
ストレージ クラス | API と CLI の名前 | 最小保存期間 | 検索料金 | Tokyoリージョンの料金(GB/月) | Tokyoリージョンの料金(GB/月) (1USD = 150JPY) |
Standard ストレージ | STANDARD | なし | なし | $0.0230 | ¥17,664 |
Nearline ストレージ | NEARLINE | 30 日 | あり | $0.0160 | ¥12,288 |
Coldline ストレージ | COLDLINE | 90 日 | あり | $0.0060 | ¥4,608 |
Archive ストレージ | ARCHIVE | 365 日 | あり | $0.0025 | ¥1,920 |
Archive ストレージのオペレーション料金
Archive Data Retrieval(検索) 27A1-EBA4-49E8 | 7.12925JPY/1GiB |
Archive Storage Tokyo(保存料金) 4E33-234A-ABE4 | 0.3564625 JPY / 1 GiB month |
Regional Archive Class A Operations F3A8-B939-4A19 | 7.12925 JPY / 1,000 count |
Regional Archive Class B Operations 1DBA-E3C9-B2A8 | 7.12925 JPY / 1,000 count |
請求料金
2023/11/27~2024/1/12までの料金状況
11/27にバックアップ設定をして、5TBのデータをアップロード。
毎週水曜日に定期的にNASをCloneする設定でバックアップを設定した。
(GCPの時刻は太平洋時間(UTC-8)らしいので日時が17時間ズレている)
Archive Storage Tokyo(ストレージ保存料金)
ほぼ一定で想定通り。正月の時点で減っているのはよくわからん。。
早期削除料金
1/9(1/10水曜日)の処理で300GBぐらいの写真が入っているフォルダの名前変更を行った。
名前変更は削除+アップロードになるらしく、早期削除料金が発生している。
名前が頻繁に変わったり、変更するファイルをArchive Storageに置くのは良くなさそう。
ClassAオペレーション
ClassAオペレーションが何をやっているかわからないが、バックアップのたびに発生している。
ClassBオペレーション
ClassBオペレーションも何をやっているかわからないが、バックアップのたびに発生している。
Archive Data Retrieval(検索)
これもバックアップのたびに発生している。
全体の割合
11月分の費用集計。アップロードの影響でClassAとClassBオペレーションが発生している。5TBのアップロードで8500円ほどかかっている。
12月分の費用集計をみると、想定通りの1ヶ月2000円程度の費用になっている。
1月の料金。ファイルのRenameをしてしまい、早期削除料金・アップロードのためのClassAとClassBオペレーションの課金が増えている。
今後どうするか?
費用的にヒヤヒヤしてしまうので、GCPに全部をバックアップする使い方はやめたい。使い続けるとしても、重要なドキュメントなどのデータだけを選んでバックアップする。
早期削除費用対策は、Autoclassを使えばよかったのかもしれない。よく使うデータはStandard Classに、使わないものは自動的にArchiveに移動するしくみ。ただ、最初のコピー時は全データがStandardClassになるため、一瞬の高額請求の覚悟は必要。
実家にNASをおいて毎晩バックアップと、Office365についてくる1TBのOnedriveに重要・変更が多い・容量が小さいものをバックアップ。
まとめ
ネット上にNASのデータをGoogle Cloud Platformにバックアップする記事があまり見当たらなかったが、費用的に個人ではちょっと厳しいからやっていないと思った。
GCPへのバックアップはやめて、実家NASへのコピーと重要データはOnedriveにバックアップしようと思います。