概要
標準ライブラリ内のフットプリントに0.2mmのドリル径のビアが含まれていたために,高額な見積もりになってしまったという話です.
経緯
KiCadでPCBを設計して,PCBgogoでポチッとしました.PCBgogoはデータを送って,チェックを行った後に料金を支払うシステムになっています.チェックが終わったようなので,支払い画面に行くと$5のハズの基板が$61になっていました...
原因の見つけ方
この金額の下のところを確認すると
- Width:100 → 66.8
- Length:100 → 96
- Min Hole Size:0.3 → 0.2
と変更されたようです.ひとつづつ見ていくと,WidthとLengthは基板幅と長さのことで,100×100で見積もりをしておき,PCBgogoによる面付けを依頼していたためです.面付けをやめることにします.
次のMin Hole Sizeは最小のドリル径のことです.ビアなどに使われているドリルの直径が0.3mmから0.2mmに変更されています.PCBgogoの場合は,0.3mm以上の場合は5$,それ未満の場合はドリル径に応じて値上がりしていきます.
ここから言えるのは,どこかに0.2mmのドリルが混入していることです.これを探して,0.3mm以上のドリルに変更していきます.
まずは,KiCadのデザインルールの設定を確認しました.こちらは0.4mmとなっていたため,問題ありませんでした.(マイクロビアは使っていないので無視しました)
一個ずつビアのプロパティを見ていては時間がかかるので,ガーバービュアを使ってあたりを付けます.
KiCadを開いた最初の画面から「ツール」→「ガーバーファイルを閲覧」をクリックすると起動します.
ガーバービュアーが起動したら「ファイル」→「Excellonドリルファイルを開く」をクリックして,.drlファイルをすべて選択して,開きます.
自分の場合はこんな感じです.拡大しながら眺めていきます.
すると,周囲に比べて小さそうな穴が見えてきました.
これに該当する部分をPCBnewで開きます.ビアを選択して,プロパティを見ると…
25番の9個ある穴すべてのドリルサイズが0.2になっていました!(KiCad上ではパッドという扱いになっていました)
こいつが犯人です!
このフットプリントはKiCadの標準ライブラリに入っていた,QFN-24のライブラリです.自分で作ったわけではないので,このビアの径は全然気にしていなかったので,ここが引っかがったようです.ここを手動で変更することで今回は解決します.こんなかんじです.
今後の対策案
次への対策として,KiCadのデザインルールで入力して,DCRでチェックをできるといいなと思いました.ができませんでした.
ビアの直径はDCRで検査できるようですが,ライブラリ内の場合はパッド(部品を通すためのスルーホールの穴)として登録されているためにこの機能でチェックはできませんでした.
Pythonスクリプトを組むか,.pcbファイルをテキストエディタで開いてチェックする方法を考える必要がありそうです.