水中用ソナーは高い→でも,水中ロボットに付けたい→そういえば,ハルロックで自作していた→だったら作れるはず→作ってみよう
作戦
Arduino用の超音波センサを水中用に改造する.
水中用に改造するときの課題
- 音響インピーダンスの違い
- センサが水で壊れる
- モータの音をセンサが拾って誤作動
- 超音波の周波数がかぶる
音響インピーダンス
インピーダンスとは物質中の波の通りやすさを表す.インピーダンスは圧力p / 流れる量u となる. インピーダンスが違うということはそれぞれの圧力と量の比率が変わっている.物質を通過するとき, 圧力と量の比率は変わるが,通過前後でのエネルギーの総量は変化しない.そこで,圧力と量の比率をうまく変換する必要がある.
ということで,大きな板と小さな板を組み合わせればいいみたい.
水の(音響)特性インピーダンスは約1.5×106 N・s/m3であり、空気の特性インピーダンスは約4.1×102 N・s/m3である。よって、例えば水面に向かって叫び声を上げても、空気中の音波は水面でほとんどが反射され水中には伝播しにくい。ここで、軽く大面積の振動板とそれに連結した小面積の振動板を用意し、その面積比を水と空気の特性インピーダンスの比にあわせることにする。小面積の振動板を水面に触れさせ、大面積の振動板に向かって叫び声をあげれば、狭い面積の水に大きな圧力がかかり、効率よく音のエネルギーが水に伝えられる。聴覚系では、耳小骨がこれに近い働きをし、空中の音波を内耳のリンパ液に伝えている。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%83%94%E3%83%BC%E3%83%80%E3%83%B3%E3%82%B9%E6%95%B4%E5%90%88#%E9%9F%B3%E9%9F%BF%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%83%94%E3%83%BC%E3%83%80%E3%83%B3%E3%82%B9
以下は高周波回路からの類推です.
電気回路におけるインピーダンスと考え方は似ている(このことをアナロジーとか類推とかいうらしい).電気回路ではインピーダンスは交流電流と交流電圧の比のことを指す.インピーダンスZ,電圧V,電流IとするときにZ=V/Iとなる.電圧と電流の比率のこと.
波(電波,高周波回路,オーディオ回路など)を扱うときにはインピーダンスマッチングという概念がある.インピーダンスが等しい時に損失がなく伝搬できる.アンテナと無線機を同軸ケーブルで接続するとき,すべて50 Ωに統一したりする.アンテナのインピーダンスが50 Ωから離れると効率が悪くなる. インピーダンスの不整合によって反射が発生すると,送信側にエネルギーが帰ってくるので大きなエネルギーを送るときは跳ね返ってくるエネルギーで送信機が壊れることもあるので,インピーダンスの整合は頑張ってする.ちなみにテレビは75 Ωに統一されている.テレビは電力が低いので故障のことは考えなくていい.ただ,受信感度が悪くなるが.
高周波でインピーダンスを整合するなら,空間でもインピーダンスマッチングをしたいところ.空間インピーダンスの定義は音響インピーダンスZ = 音圧 p / 粒子速度 u = 物質の密度 P × 物質の音速 C となる. 音圧が電圧に相当して,粒子速度が電流に相当する. http://esd.env.kitakyu-u.ac.jp/kuroki/KAANET_kaap/kuroki/text/txt14.html
センサが水で壊れる
しっかりと防水をすればよい.ここは頑張るしかない.
モータの音をセンサが拾って誤作動
超音波の周波数を変える or ソナーを使うときはモータを止めるとかの対策をする.
JAMSTECの船だと,音響ノイズを出さないように船を工夫しているとのこと.
超音波の周波数がかぶる
他人の超音波と自分の超音波の周波数がかぶるかもしれない.いわゆる混信.その時は,超音波に情報を載せておいて他人と自分の超音波を分離する or あきらめる.
製作したら追記します.